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今年平尾台の初霜は11月3日だった。しかし平尾台盆地の低地、標高350〜360mくらいの非常に狭い範囲で、放射冷却による部分的な降霜だったようだ。今朝(11/17)も平尾盆地からカワドリーネにかけてうっすらと霜が観測された。平尾台自然の郷で10-11月の最低気温がプラス7℃なので、まだ平尾台全体は(盆地の底以外)0℃ちかくまでは下がっていない。
だから今年は平尾台の草原で、ネザサなどはまだまだ青く、紅葉や黄葉の状態を保っている植物が多い。今、平尾台は草紅葉のピークを迎えている。
それでももう11月下順。長い期間鮮やかな黄色に彩られたハギも黄土色に色あせつつある。ゆっくりだが平均気温も下がって来ている。冬枯れの景色に変わるのも間近だ。


四年前から大きな鉢植えのハボタンを栽培し、平尾台の特産にしたいと考えている。兵庫県丹波市の実家の母が、もうずいぶん以前から高さが1mになるほどの葉牡丹を育てている。はじめは冬のあいだ、庭をにぎやかにする趣味だったものが高じて、いまは千鉢以上も育て、出荷している。特に「踊り葉牡丹」という技法は、普通3年生の株で完成するのだが、母は1年仕立てで実現するテクニックを発見した。年末年始、門松がわりにホテルやお寺や各家の玄関で、春までの庭飾りに重宝されている。
平尾台に来たとき、キャベツ畑が目に付いた。カルスト高原キャベツという、ブランドにもなっている。だったら、ハボタンもいけそうだ。また平地より3度ほど低温で、冬の訪れが早いので、色付くのも早いだろうと思った。
葉牡丹は夏から秋の成長期は、普通に濃い緑色をしている。日照時間が短くなり、気温が下がる時期に、成長床にしていた栄養豊かな畑から、貧沃な土を入れた鉢植えにすると、茎の先端から白や赤紫の葉が次々でて、緑の葉と入れ替わり、ボタンの花のようになる。色が変わる仕組みは、紅葉や落葉で冬に植物が身を守るのとおなじだ。日照が少ない冬はまともな光合成ができないので、消耗をおさえるため、葉緑素とカロチノイドが抜けた葉は白くなり、そこにシアニジン系のアントシアニンが合成されると赤色が発色する。

(だから、鉢に肥料をたっぷり与え、日当たりの良い温室に置いたりすると、単に葉がボウボウのキャベツまたは濃い緑の白菜として冬を過ごす・・・というわけで、お買い上げの方、くれぐれも過保護にしないで下さいね。水だけ切らさなければ、厳しい環境が発色を良くしますから)
冬の間は茎や葉に栄養を貯え、消耗を控えてやりすごす。春になり光が強くなり気温が上がると、一気に葉牡丹の芯からニョキニョキ茎を伸ばし、花を付ける。この黄色い花を見ると、コイツがアブラナだったと思い知らされる。
「平尾台のススキは、いつ見ごろですか?」の良くある質問に応えるため、今年は9月から定点観測することにした。取りあえず10/16と11/2と11/9の3写真を掲載する。
写真を見てわかるが、今年は10月中あまり風景が変わっていない。
セイタカアワダチソウの強い黄色は11月に入ると目立たなくなった。例年はこの頃霜が降りたり、乾燥がすすむので、草原の草が枯れてくる。それに比して今年の11月は一週間で背景の草原が緑から、赤や黄色に色付きはじめた。
夏の十分な日照、秋の適当な雨、台風や木枯らしで葉が痛んでいないこと、などの条件が重なると、見事な草紅葉と真っ白いススキの穂が重なる風景となる。写真では背景が濃い緑から明るい黄色に変わっていくと、ススキの白い穂が浮き立ちにくくなり主役が入れ替わる。
今朝今年はじめて霜が降りた。吹上峠で初氷を観測し、日中は木枯らし1号も吹いた。きれいだった草紅葉も今日の晴天をピークに終わりをつげ、徐々に冬枯れと変わっていく。
11月22日加筆
21日に「平尾台ガイドツアー」の一行17名を、地の果てから不動山、見晴台を案内。メンバーは手に手にこのブログのコピーを持っていた。何とかお目当ての草紅葉の終演に間に合ったかっこうだ。
12月1日加筆
昨日(11/30)NHKの取材の案内をした。ススキの穂のきれいなところを「女優」が歩くシーンを撮りたいというリクエストだった。ススキの穂ひとつひとつはもうボリュームがなくなったが、冬枯れ直然の草原も風情がありますよとここを案内した。
12月16日加筆
12月初旬から平年並みの気温になり、草紅葉も色あせた。かろうじて根笹の葉は、黄色くいい色を残している。ススキの穂はすっかり寂しくなり、白く透明に見える。
1月10日加筆
暖冬でもさすが1月の中旬ともなると霜も数回、雪も1回降った。平尾台のススキが原もすっかり冬枯れとなった。冬晴れの空がすっきりせず、春がすみのようなのは黄砂や靄ではなく、ここ3日続きの越境汚染らしい。
「平尾台の紅葉はいつみごろですか?」と聞かれ、いつも返辞に窮する。「平尾台は草原なので、あまり樹木がないんですよ。」とお答えすると、「なあんだ、紅葉はないんですね。」とガッカリされる。
紅葉がないわけではないのだ。小倉側から登る県道沿いとか、塔ヶ峯南壁とか、芳ヶ谷北壁、そのほか箱穴、助佐穴などのドリーネは、紅葉と石灰岩のコントラストが美しく、平尾台でしか見られない風景だ。ただどれも「耶馬渓・高千穂みたいなパノラマのような風景」ではない。
いんや、ある! 「平尾台ならではの、紅葉パノラマ」、それが草紅葉なのだ。文字どおり草原の紅葉である。樹木と異なり、葉が薄いので、よほど条件が整った年でないと、はっきり紅葉せずに枯れてしまう。また草は細かく入り交じって生えているため、木々の紅葉みたいに、パレットの中のひねり出した油絵の具のようなくっきりしたコントラストはない。しかし、明るく淡い水彩画のような草原の紅葉は独特で、ここ平尾台でも数年に一度の光景。私はその光景に何度も出会いながら、まだ一度としてうまく写真に撮れていない。
その平尾台の草紅葉が見られる条件が今年は揃いつつある。(上記掲載写真はそのイメージ)草紅葉が綺麗になる条件は、「夏の日照が充分だったこと」「台風が来なかったこと」「秋季の適当な降水」「気温低下;最低気温10度以下」「霜が降りていない事」など、なかなか厳しい。お天気予報から判断すると、この週末から一週間くらいが見頃かも。
昨日は立冬だった。今日も暖かく冬らしくなるのは来週かららしい。
このあいだ花を付け話題になった桜が気になって見て来た。木の全体に新緑のころの様な葉が生い茂っている。果敢にもまだ二期作に挑戦中らしい。
よく見るとポツンと花も咲いている。花の写真の背景の薄紅色は、遠景の紅葉だから、初冬と春が同居してる構図。一説では、サクラは日本にやって来る以前、もっと温暖な地にあって「常緑」で「開花期は11月」だったとも。日本の冬が温暖化の傾向とみて、ご先祖の生き方を温故知新しているのかも知れない。この株はたった一本で、たくましく柔軟な適応力を発揮しているのか?
県道沿いの銀杏の木も、まだ黄色く色付いた葉は「まばら」でまだ青々して、立冬は暦の上のことのようだ。
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