数年前から、九州工業大学工学部のロケット実験を手伝っている。そして毎年いまごろ、学部3年生の製図3の授業で、モデルロケットの創作設計製図製作打上げをする。昨年までは選択だったが必修になり、50名以上が参加する。今回は1チーム5〜6名で8班が取り組んだ。
1号機
今回使用するモーターは、F24Wリローダブル推進器。径80mm、打ち上げ重量500gほどの機体を高度200m程度打ち上げる。
1号機はエイヴィオニクスとして、GPS・加速度計・タイマーを積み、所定の高度で格納扉を開いて、パラシュートを放出した。
2号機

2号機は尾翼に注目。ロケットとして打ち上げる時は機体姿勢を安定させるための尾翼として機能し、上空でロケット本体から分離し、2機のデルタ翼グライダーとして滑空させる。エイヴィオニクスを格納した重いボディチューブはパラシュートで回収。
打ち上げ実技で、設計意図通りのパフォーマンスを披露した。
3号機
3号機は、2号機と同じくグライダー射出ロケット。グライダーの形が、全翼機に近いフォルム。翼が上半角と迎角がついており、打ち上げ時に発生する揚力を打ち消すため、2機を向い合せに取り付けた。ロケット本体はパラシュート回収。機体全体のデザインがカラーリングも含めきれいな作りであった。
4号機

4号機は、ノーズコーンを有人カプセルにみたて、生卵を搭載した、「エッグロフト」ロケット。生卵は大きな衝撃に合うと割れてしまうので、発射・動力飛行・慣性飛行・パラシュート作動・減速降下・着陸の全プロセスにわたって、Gを制御できないといけない。ボディーチューブにカーボンを使った力作。
打ち上げと飛行、回収装置放出は成功。パラシュートが完全に開かず、卵は写真のとおりとなった。
5号機
5号機は外観はモデルロケットらしい設計。意匠は初歩の自律制御をねらった搭載機器に力点を置いている。パラシュートの放出を、機体の姿勢や加速度を測定し、発射・燃焼終了・アポジー等のマイルストーンを順に検出し、ベストタイミングで作動するというもの。安全策としてタイマーでバックアップしている。打ち上げは成功し、無事に回収した。
6号機
6号機は、ロケットとして打上げ、グライダーとして回収するというもの。1号/2号のように、一部を滑空させるのではなく、機体全体がグライダーとなる。
主翼はフレックス翼(膜翼)で、打ち上げ時は折り畳みボディーチューブに格納。上空で主翼を展開し、揚力を得て滑空させようというねらい。その後、パラシュートで制動しソフトランディングする。
打ち上げそのものは成功したが、主翼が開かず硬着陸した。
7号機
7号機は、エンタテイメントロケット。塗装がアポロ計画をイメージさせるとおり、有人ロケットサターンロケットのミニチュアである。ただし5人乗りなので、先端の有人カプセルに入り切らず、ロケット下部にも宇宙飛行士を載せるらしい。チーム5人のフィギュアを作り、パラシュートを背負わせている。打ち上げ後頂点附近で乗員を放出、その後ドローグシューとが作動しメインシュートが引き出されて本体を回収しようというもの。
打ち上げは成功し、ドローグシュートがメインシュートを引き出したが、展開せず十分に減速できず着地した。
8号機
8号機は搭載機器の不具合で、打ち上げが延期された。というわけで写真がない。
全体に工作技術/搭載装置/設計意図と結果の整合性/射場での準備手順/安全性などのレベルが向上している。教授や院生の指導が良いのだろう。
今回、直径1000mm以上のパラシュートが使われており、格納/開傘に苦労していた。ゴミ袋のような厚手のシートで六角形にしていた。まずそのサイズなら、8角/12角が良い。また素材は、日傘/子供用雨傘/折畳み傘の骨を外して使うと良い。
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